国指定史跡ガイド 「岡津製塩遺跡」の解説
おこづせいえんいせき【岡津製塩遺跡】
福井県小浜市岡津にある製塩遺跡。若狭湾の一角を占める小浜湾に面する市街の西方約7kmの地点にある。東方の山側から緩やかに傾斜する地形の末端部に立地しており、西側は海岸線で区切られる。製塩炉9基のほか、巨大な焼土面や製塩土器が確認され、古代塩づくりの生産過程を知るうえで重要なことから、1979年(昭和54)に国の史跡に指定された。製塩炉はすべて敷石をもち、5基が船岡式と呼ばれる8世紀の製塩土器をともない、他の4基は、7世紀末から8世紀初頭と推定される製塩土器をともなう炉である。製塩遺跡としては全国的に比類のない豊かな内容をもち、かつ保存状況も良好であって、製塩遺跡の典型例と考えられている。藤原宮や平城宮では、若狭国から送られてきた塩の付札(つけふだ)木簡が数多く発見されている。JR小浜線加斗(かと)駅から徒歩約10分。