岩戸郷(読み)いわとごう

日本歴史地名大系 「岩戸郷」の解説

岩戸郷
いわとごう

高知尾たかちお庄に属する中世の郷。現高千穂町岩戸を遺称地とする。正平二年(一三四七)九月二〇日の恵良惟澄官軍恩賞所望交名并闕所地注文案写(阿蘇文書)によると、岩戸小太郎政澄が日向高知尾立宿たちやどり村の舎兄政幸跡を所望している。立宿は岩戸に字名が現存し、岩戸政澄は岩戸の住人一族の闕所地を恩賞として申請した。政の字は大神姓三田井氏の通字であり、この一族は三田井一家と推定される。当地の佐藤家が所蔵する応永一九年(一四一二)九月九日の鰐口銘文(県史蹟名勝天然記念物調査報告)によれば、「日向州高知尾庄岩戸郷折原村」に居住する国政は東林寺の薬師瑠璃光如来宝前に鰐口を寄進している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報