日本大百科全書(ニッポニカ) 「岩間温泉」の意味・わかりやすい解説
岩間温泉
いわまおんせん
石川県白山市(はくさんし)尾添(おぞう)にある温泉。白山北麓(はくさんほくろく)にあり、露天風呂(ぶろ)と無人ヒュッテしかない温泉であるが、森林に囲まれた野趣あふれる山の湯で、元湯となっている。泉質は塩化物泉。泉源は古くから知られていたが、1920年(大正9)の尾添の大火後、復興のため、この温泉を開発し、これを経由する白山登山路を開いた。岩の間より湧(わ)き出ることから当時の郡長が1924年岩間温泉と名づけた。付近の谷底に石灰華よりなる岩間の噴泉塔群があり、特別天然記念物に指定されている。湯元は交通不便なため、下方に、1954年(昭和29)引き湯して新岩間温泉を、1976年さらに下方に白山一里野(いちりの)温泉(同じく元湯からの引き湯)を開設した。ここにはスキー場、テニスコートなどもあり、年間利用されている。北陸鉄道鶴来(つるぎ)駅からバスの便(乗りかえ)がある。
[矢ヶ崎孝雄]