塩化物泉(読み)エンカブツセン

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

塩化物泉
えんかぶつせん

温鉱泉1キログラム中の溶存固形成分が1グラム以上で、陰イオンとして塩化物イオンを主成分とする温泉。食塩泉とよばれていたが、1978年(昭和53)の鉱泉分析法の改定により塩化物泉となった。陽イオンの主成分によって分類するとナトリウムが多いとナトリウム塩化物泉ともいいNa-Cl泉と表記する。日本の温泉の29%程度を占める。ほかの含有成分の量に応じて塩化物泉はマグネシウム(カルシウム)塩化物泉などに分類される。食塩含有量が温鉱泉1キログラム中15グラム以上を強食塩泉、5グラム以下を弱食塩泉という。ドイツなど岩塩地帯から湧出(ゆうしゅつ)するものは食塩含有量20%を超えるものもある。日本では兵庫県の有馬(ありま)温泉の4.7%が最高である。塩化物泉は海岸、油田地帯に多く、海底堆積(たいせき)層から湧出するものは化石海水を含む。リウマチ、神経痛などに有効とされているが、皮膚疾患は禁忌である。青森県の浅虫温泉、静岡県の熱海(あたみ)温泉、和歌山県の白浜温泉、長崎県の小浜(おばま)温泉などが有名である。[綿抜邦彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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