岸岳城跡(読み)きしだけじようあと

日本歴史地名大系 「岸岳城跡」の解説

岸岳城跡
きしだけじようあと

岸岳(三二〇メートル)の山頂を中心に城壁を残す中世の城跡。岸嶽城・鬼子岳城とも書く。現北波多村・相知おうち町にまたがる。

かつて岸岳に木角こかくという賊が住んで近郷を荒した。松浦(源)久は朝命によりこの賊を討ち功名をたて、松浦郡を賜り、永住して松浦党始祖になったという。これは伝説であり、「松浦家世伝」には、平安時代末頃久の次男持が波多城を築き、波多氏となったと記す。以来波多氏は戦国末期の三河守親まで一七代に及んだが、途中不明なところが多い。

「松浦古事記」に

<資料は省略されています>

とあり、現在各所に石垣を残している。

築城の年代は不明だが、波多氏は初期は岸岳北面の麓の稗田ひえだ(現北波多村)を中心に居住し、その付近に波多城を築き、不時の時、山頂に拠ったとの説がある。戦国期に入り、戦乱に備えるため、山頂の防備が逐次充実されていった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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