岸本御厨(読み)きしもとのみくりや

日本歴史地名大系 「岸本御厨」の解説

岸本御厨
きしもとのみくりや

愛東あいとう上岸本かみぎしもと、湖東町中岸本・下岸本・小田苅こたかり付近に比定される伊勢外宮(豊受神宮)の御厨。領家は華頂門跡。地頭職は北条氏から足利氏を経て幕府御料所として奉行衆拝領したと考えられる。建久三年(一一九二)八月日の伊勢大神宮神領注文(神宮雑書)に「岸本きしもと御厨」とみえ、大治年中(一一二六―三一)伊勢外宮の御厨となり、康治―天養年間(一一四二―四五)田地を寄進された。建久三年当時は前法眼宗近の弟子らが給主で、供祭物として上分米三石・起請雑用料一〇石が納入されていた。鎌倉末期には地頭は北条泰家であったが、幕府滅亡後足利尊氏に与えられた(「足利尊氏・同直義所領目録」比志島文書)。正平八年(一三五三)七月一八日、二季講領岸本庄内の源精跡の兼永・兼楽等の名田が左衛門督局に安堵されている(「綸旨」南狩遺文)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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