朝日日本歴史人物事典 「岸良兼養」の解説
岸良兼養
生年:天保8.8(1837)
明治初期の司法官。薩摩(鹿児島)藩士岸良兼善の長男として生まれる。幼名俊助。明治1(1868)年4月議政官史官試補をふり出しに,2年2月監察司知事となり,同年9月弾正大巡察,4年3月刑部少丞,5年8月司法少丞。同年河野敏鎌らと共に司法省から欧州視察に派遣され,帰国後6年12月権大検事となり,次いで大検事,10年6月には大審院検事長に累進した。この間,佐賀の乱(1874)や西南戦争(1877)の裁判にかかわった。さらに,12年10月大審院長に任命されたが,14年7月司法少輔に転じ,16年6月元老院議官を兼任。同年7月以降は元老院議官専任となった。
(楠精一郎)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報