峰の茶屋
みねのちやや
浅間山の東斜面鞍部にある標高一四〇五メートルの峠で、鼻田峠ともいう。現中軽井沢から現長野原町(群馬県吾妻郡)に通じる国道一四六号の最高地点で、小浅間に近く、浅間山への登山口でもある。鬼押出(現群馬県吾妻郡嬬恋村)から万座温泉(同嬬恋村)に通じる道路と、白糸滝を経て旧軽井沢に通じる道もここで分岐している。
沓掛宿からこの峠を越えて草津温泉(現群馬県吾妻郡草津町)への道を草津道といい、佐久方面からの湯治客や硫黄荷物の通路である。
更に最盛期の明治四〇年(一九〇七)頃には毎日三〇頭の馬が往復していた(土屋長平著「郷の華」)。上野国側の分去れ(現群馬県吾妻郡嬬恋村)から左折して大笹(同嬬恋村)への道は、仁礼を経て須坂(ともに現須坂市)に通じて大笹道または仁礼道といい、近世における重要な中馬道で、中馬が仁礼道からこの峠を通って沓掛宿に出るか、大戸通(分去れ―大戸―高崎)を高崎宿(現群馬県高崎市)に出てしまうかは沓掛宿の利害にかかわるので、これをめぐって元禄一二年(一六九九)・同一五年・宝永二年(一七〇五)・正徳三年(一七一三)・享保二年(一七一七)・明和四年(一七六七)等に沓掛宿と仁礼道筋村々との訴訟が起きている(与良清氏蔵文書)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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