島根・山持遺跡(読み)しまねざんもちいせき

知恵蔵 「島根・山持遺跡」の解説

島根・山持(ざんもち)遺跡

2006年春以来の発掘調査で、8世紀後半〜9世紀初め(奈良〜平安時代)の珍しい「天女」図の板絵などが相次いで発見されている島根県出雲市の遺跡。板絵は長さ65.5cm、幅8.5cmの板に、頭上で髪を結い上げ、詰め襟仕立ての服装をした姿で墨書された女性図など4点。背後円形の「光背」のようなものを描いた女性図もある。いずれも唐風の服装だとの見方もある。裏面には人名らしい「立万」との書き入れもあった。また「部領倉長殿」「吉野」「黒丸」などの墨書があり、出勤簿と推定される行政文書らしい木簡も見つかった。ほかに「益」「西家」などと墨書された土器、幅約3mの道路跡などが確認されている。未知の古代役所や宗教施設などとみられ、「最古の木彫神像」などが発見されている東約2kmの青木遺跡との関連も注目されている。

(天野幸弘 朝日新聞記者 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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