崔龍海(読み)ちぇりょんへ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「崔龍海」の意味・わかりやすい解説

崔龍海
ちぇりょんへ
(1950― )

北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の政治家。金日成(キムイルソン)総合大学卒業。親は抗日パルチザン出身で元人民武力部長の崔賢(チェヒョン)。

 朝鮮人民軍に入隊後、社会主義労働青年同盟(社労青。現在の金日成・金正日(キムジョンイル)主義青年同盟)で局長、中央委員会副委員長、委員長を歴任して頭角を現す。1990年代には朝鮮サッカー協会委員長、朝鮮青少年テコンドー協会委員長、国家体育委員会副委員長を経て、1996年に金日成社会主義青年同盟のトップである第一書記に就任。しかし1998年に突如解任された。その後長らく動静報道がとだえ、失脚説も出回ったが、2003年に復帰、2006年に朝鮮労働党黄海北道(ファンヘプクド)委員会のトップである責任書記になった。その後2010年9月に金正恩(キムジョンウン)と同時に大将称号を授与され、党中央委員会政治局員候補、書記、中央軍事委員会委員、中央委員となり、金正恩の後見役として完全に復権を果たした。2014年に国防委員会副委員長、党中央委員会書記、国家体育指導委員会委員長となる。その後降格や解任などもあったが、2016年に国務委員会副委員長、2019年に国務委員会第一副委員長、最高人民会議常任委員会委員長になり、表面的な序列では金正恩に次ぐナンバー2となった。

[礒﨑敦仁 2020年2月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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