ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キム・ジョンウン」の意味・わかりやすい解説
キム・ジョンウン(金正恩)
キム・ジョンウン
Kim Jong-Eun; Kim Jong Un
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の政治家。2011年12月,急死した父キム・ジョンイル(金正日)のあとを継いで北朝鮮の最高指導者となった。キム・ジョンイルの三男で,幼少の頃からほとんど公共の場に出ることなく過ごした。スイスのベルン郊外にあるベルン国際学校に通い,2002~07年ピョンヤン(平壌)特別市のキム・イルソン(金日成)軍事総合大学(→キム・イルソン)に学んだ。2009年初頃から父の後継者と目されるようになり,最高人民会議の立候補者に名を連ねた。同 2009年4月,強大な権限をもつ国防委員会の籍を与えられた。2009年半ばには北朝鮮国内で「輝ける同志」と呼ばれるようになり,同 2009年6月に政治統制と防諜活動を司る政府機関,国家安全保衛部の長に指名されたことが伝えられた。2010年9月27日,キム・ジョンイルの命令によって人民大将軍に任ぜられた。翌 9月28日の朝鮮労働党代表者会において党中央委員に選出され,党中央軍事委員会副委員長に就任して,非公式ではあるがキム・ジョンイルの後継者であることを示した。父の死後の 2011年12月30日,朝鮮人民軍最高司令官に就任,国家の最高指導者であると宣言され,北朝鮮の政府と軍双方の頂点に立ったことを示した。2012年4月11日,党代表者会が開かれ,これまでの総書記に代わる朝鮮労働党第1書記の職が新設され,キム・ジョンウンが選出され,中央軍事委員会委員長に就任した。同 2012年4月13日には最高人民会議において,国家元首に相当する国防委員会第1委員長を兼任することが決まった。
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