日本歴史地名大系 「川原田岩陰遺跡」の解説 川原田岩陰遺跡かわはらだいわかげいせき 大分県:速見郡山香町広瀬村川原田岩陰遺跡[現在地名]山香町広瀬山香盆地の東部、八坂(やさか)川に北面する縄文時代の早期を主とする岩陰遺跡。昭和四三年(一九六八)発掘調査が行われた。層位はI―XII層まで分けられ、最上部のI層は縄文後期の混土貝層、III―XII層は縄文早期の包含層と遺構となっている。I層の貝類はカワニナを主とし、海産のカキ、ハマグリも混じる。薄い貝層をもつIII層からは数体の屈葬人骨が出ており、V層では扁平礫を花弁状に組んだ炉が検出されている。VII層からは大型楕円文の田村式土器、IX層では稲荷山式もしくは早水台式、X層では九州最古の押型文土器であるベルト状施文土器(川原田II式)が出土している。また最下部のXII層では、押型文化に先行する尖底無文土器(川原田I式)が確認されており、早期の層序を示す好例となっている。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by