川辺遺跡（読み）かわなべいせき

日本歴史地名大系

川辺遺跡
かわなべいせき

• 和歌山県：和歌山市
• 河北地区
• 川辺村
• 川辺遺跡

[現在地名]和歌山市川辺・中筋日延

和歌山市北東部にあたる川辺・中筋（なかすじ）日延（ひのべ）の標高一二メートル前後の紀ノ川下流右岸の沖積地に位置する東西約一・三キロメートル、南北約〇・八キロメートルの縄文時代晩期から近世にいたる複合遺跡。

昭和六二年(一九八七)から道路建設に伴う発掘調査が実施され、遺跡の概要が明らかになった。縄文時代では集落が確認され、晩期の竪穴住居跡二棟、土器棺墓六基、屋外炉・土坑が検出された。北東部を中心として、滋賀里IIIｂ式併行期を中心とする縄文土器が多数出土した。東北地方から搬入された大洞式土器や遮光器型土偶も出土しており、周辺に縄文時代晩期の集落がある可能性が高い。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」