州際通商委員会(読み)しゅうさいつうしょういいんかい(その他表記)Interstate Commerce Commission; ICC

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「州際通商委員会」の意味・わかりやすい解説

州際通商委員会
しゅうさいつうしょういいんかい
Interstate Commerce Commission; ICC

アメリカ合衆国連邦政府が諸州間の交通,通商を規律するため,州際通商法に基づき 1887年に設立した行政機関。州際商業委員会,州際交通委員会ともいう。1995年廃止。設立の趣旨は当時の主要産業である鉄道が寡占的運賃協定などにより不当な利益を上げていたため,これを統制,監督することにあった。この委員会の設立は連邦政府が伝統的な自由放任政策から連邦的統制強化へ移行する契機をなし,その後この統制は地下鉄電信,電話などの事業にまで及んだ。アメリカの反トラスト法の歴史上,画期的なものといえる。(→州際通商

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世界大百科事典(旧版)内の州際通商委員会の言及

【州際通商法】より

…19世紀末から,広域化する企業活動を全国一律に規制する必要が強まり,通商条項にもとづく連邦立法があいついで制定された。まず鉄道事業を規制する州際通商法(1887)が制定され,同時にその実施に当たる州際通商委員会が設置された。鉄道会社の恣意的運賃や独善的営業に対する利用者の不満にこたえたものであった(グレンジャー運動)。…

※「州際通商委員会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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