工場身分制度(読み)こうじょうみぶんせいど

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「工場身分制度」の意味・わかりやすい解説

工場身分制度
こうじょうみぶんせいど

第2次世界大戦前の日本でみられた社員,準社員,工員臨時工などの身分を定めた制度のこと。旋盤工,組立工など職種による区分課長係長などという職階制区分とはまったく別に,主として学歴年功などによる区分としてなされ,一般に本人努力のみではこえられない制度として成立していた。こうした身分制度は管理体制と結びついており,採用,退職などを含む労働条件の身分による差別私生活にまで及んでいた。第2次世界大戦後このような半封建的身分制度は急速に払拭され,職階制が基本的な形となった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android