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職階制 しょっかいせいposition classification plan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

職階制
しょっかいせい
position classification plan

官公庁や大企業などの近代的組織において,多量かつ多種多様な職務を内容の複雑性,困難性,責任性などに応じていくつかの集団に分類整理し,科学的人事管理を目指す制度。この制度の根幹をなす職務の分類は,職務の客観的内容によって行われ,まず「職種」に,次に「職群」に類別し,さらにそれを等級に区分して「職級」がつくられる。こうして給与任用の公平,責任の明確さが期待されることとなる。アメリカで一般的な制度であるが,日本の場合は前近代的な身分制的序列感覚と結びつけて考えられるため,実際には賃金格差が持込まれたり,身分的な差別が設けられることとなり,身分的序列と同義に使用されることが多い。国家公務員職階制に関する法律によると職階制とは,「官職を,職務の種類及び複雑と責任の度に応じ,……分類整理する計画」である。官職とは「1人の人間に割当てられた職務と責任」であり,個人のもつ能力や資格ではない。この官職を職務の類似性によって,職種に大別し,さらに複雑さと責任を基準にして職級に細別する。人事院によって国家公務員の職階制が実施されることになっているが (国家公務員法 29,国家公務員の職階制に関する法律参照) ,厳密な意味での実現はまだなされていない。

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デジタル大辞泉の解説

しょっかい‐せい〔シヨクカイ‐〕【職階制】

大規模な経営組織体で、職務全体を職務の種類および複雑さと責任の度合いによって体系的に分類・整理する計画、またはその制度。

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百科事典マイペディアの解説

職階制【しょっかいせい】

近代的人事管理に不可欠な職務分類制度。職務をその内容と責任の程度に応じて体系的に職種と等級に分け,これを基準として任用・給与(職階給)などを決定,能率の向上を図ろうとする。

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世界大百科事典 第2版の解説

しょっかいせい【職階制 position classification plan】

組織を構成する多数の職位または官職positionを職務の種類および複雑さと責任の度合に応じ,等級をつけて分類整理する計画または制度をいう。国家公務員の場合,官職とは一般職に属する職であり,その内容は1人の職員に割り当てられる職務と責任であり,個人のもつ資格,成績,または能力ではない。職階制は,官職をまず職務の類似性によって職群,職種に大別し,さらに職務の複雑さと責任の度合によって職級に細別する。職級については,職級明細書を作成し,その名称および職務内容を定めている。

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大辞林 第三版の解説

しょっかいせい【職階制】

職階を設け、それに基づいて人事管理を行う制度。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

職階制
しょっかいせい
job classification plan

職務の内容と責任の程度により序列を設定する人事制度。これにより、職務担当者の採用、配置、服務、教育訓練、賃金などの人事管理上の諸問題を合理的に処理し、能率向上を実現しようとするものである。職階制は、組織を職務本位に設計し、職務に人を適合させ、情実や専断を排し、昇進・昇給を科学化する。賃金を職務に応じて公正化し(職階給)、能力実証を中心にした人事考課(勤務評定)を可能にする。アメリカの公務員ではすでに19世紀後半から課題にされ、1918年に実施された。日本ではアメリカの制度に倣い、1950年(昭和25)に採用された。そこでは、すべての職務は、職群(大分類)、職種(小分類)、職級(複雑困難性と責任の程度による等級)によって分類された。しかし実態はかなり形骸(けいがい)化した面が多かったため、行政改革によって2009年(平成21)に廃止された。企業においては、担当する職能と保有する能力を組み合わせた職能資格制度を採用している事例が多く、職階制という用語は使用されていない。[森本三男]

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