市津村(読み)いつちむら

日本歴史地名大系 「市津村」の解説

市津村
いつちむら

[現在地名]赤池町市場いちば

彦山川中流左岸に位置し、南は赤池村。明治一八年(一八八五)刊の「地名索引(内務省地理局編)では「イチヅ」と訓じる。中世金田かなだ庄のうちにあった。正平一二年(一三五七)九月日の金田庄領家分押領地頭等交名注文(青柳種信資料/南北朝遺文(九州編)四)によると、「市津村」の一九町四反余が地頭孫太郎によって押領されている。文保元年(一三一七)一二月二一日の関東下知状(同資料/鎌倉遺文三四)によれば、宇佐郡の三沓経高跡の替地として「豊前国市津平次郎跡」の三分の一が菊池浄宗に宛行われており、当地を本貫地とする市津氏がいたと考えられる。正平一一年の金田村名々分帳(二階堂文書/南北朝遺文(九州編)四)にみえる安芸殿御方分の金田村内石松いしまつ名は市津村内の名田とされ、現在も石松という集落がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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