布子(読み)ヌノコ

デジタル大辞泉 「布子」の意味・読み・例文・類語

ぬの‐こ【布子】

木綿綿入れ。古くは麻布あわせや綿入れをいった。 冬》

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精選版 日本国語大辞典 「布子」の意味・読み・例文・類語

ぬの‐こ【布子】

  1. 〘 名詞 〙 木綿の綿入れ。古くは麻布の袷(あわせ)や綿入れをいった。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「四斗 質あさかきのぬのこ一」(出典:法隆寺記録‐応安六年(1373)綱封蔵沙汰人収納算用状)

のの‐こ【布子】

  1. 〘 名詞 〙 「ぬのこ(布子)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「此布子(ノノコ)どふなさる」(出典:浄瑠璃・平仮名盛衰記(1739)二)

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改訂新版 世界大百科事典 「布子」の意味・わかりやすい解説

布子 (ぬのこ)

いわゆる綿入れのこと。昔,庶民胴着にして着物の下に着たり,あるいは上着に用いた粗末な防寒衣ないしは保温衣で,とくに綿の厚く入ったものをいう。布子の〈布〉とは,もともと絹以外の植物性繊維織物のことを指していたから,木綿の伝来する前は麻が主として用いられた。古くは小袖といえば,かならず綿のはいった袷(あわせ)仕立ての着物のことであったから,小袖の場合はとくに綿入れとはいわない。布子は江戸時代にはもっぱら木綿で作り,これに綿を厚く入れて上から綿の動かぬように刺してとじつけたものもあった。下層階級の人々は,多くの衣類を重ね着することができないので,寒いときにはこうした一枚着が必要とされたのであろう。
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百科事典マイペディア 「布子」の意味・わかりやすい解説

布子【ぬのこ】

綿入れのこと。庶民が胴着にして着用した粗末な防寒衣。江戸時代には多く木綿を用い,これに厚く綿を入れて,上から綿が動かぬように刺してとじつけたものもあった。

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