胴着(読み)ドウギ

デジタル大辞泉 「胴着」の意味・読み・例文・類語

どう‐ぎ【胴着/胴衣】

和服用の防寒着で、長着ジュバンの間に着る綿入れ胴服。どうい。 冬》
人体の胴にまとうもの。どうい。「救命胴着
[類語]チョッキベスト

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精選版 日本国語大辞典 「胴着」の意味・読み・例文・類語

どう‐ぎ【胴着・胴衣】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 上半身につける袖のない服。多く防寒用として、内着に用い、時に、表着にもする。手無し。袖無し。《 季語・冬 》

▼どうぎ脱ぐ《 季語・春 》

  1. [初出の実例]「丹後の黒地にもえぎのかうし縞の小袖、間にあさぎのくじらむくの胴着を着」(出典:洒落本・文選臥坐(1790)北廓の奇説)
  2. どうぶく(胴服)
    1. [初出の実例]「氏郷記云〈略〉鉄炮の音して信長卿の著し給たる胴衣の両袖に中りたり」(出典:武家名目抄(19C中か)衣服部)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「胴着」の意味・わかりやすい解説

胴着
どうぎ

綿入れ仕立ての和服の下着。寒い季節に長着と襦袢(じゅばん)の間に着用する。肌に直接はつけない。形には、袖(そで)のあるものと袖なしとがあり、袖のあるものには長袖筒袖がある。丈は短いものと長いものとがある。脇(わき)に10センチメートル余の馬乗りあけをつける。布地木綿から絹の縮緬(ちりめん)まで、下着に応じて用いる。男子は掛け衿(えり)、袖口に黒を用い、女子は掛け衿、袖口に黒繻子(じゅす)または共布を用いる。老人用には軽くて暖かい真綿を入れるのがよいが、一般には青梅(おうめ)綿を用いる。文化・文政ごろ(1804~30)には、京坂で縮緬(ちりめん)を用いた吾妻(あづま)胴着(胴着と同形で、布地に縮緬を用い襦袢下に着た)が用いられていたという記録がある。胴着は老幼男女に用いられていたが、近年は胴着にかわる防寒用新製品が出回っているので、利用は減少している。

[藤本やす]

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百科事典マイペディア 「胴着」の意味・わかりやすい解説

胴着【どうぎ】

保温のため長襦袢(じゅばん)と長着の間に着る袖(そで)のない腰までの丈のもの。すべりのよい羽二重などに真綿を入れて仕立てるが,現在ではキルティングなどが用いられる。羽織下に着たり,防寒のための表着としても用いられる。

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