布野宿(読み)ふのじゆく

日本歴史地名大系 「布野宿」の解説

布野宿
ふのじゆく

[現在地名]布野村上布野

赤名あかな峠を越える雲石路の、広島藩最北端に設置された宿駅で、北は出雲国赤名宿(現島根県飯石郡赤来町)へ四里八丁で、南は三次みよし宿(現三次市)へ三里で結ばれていた。

布野宿は布野川沿いの沖積平地を避けて、その東側の山斜面に南北に延びる街村で、正徳五年(一七一五)以前に成立した芸備諸郡駅所市町絵図(浅野長愛氏所蔵)に、町の長さ三町三〇間・道幅二間とあり、文政二年(一八一九)の上布野村の「国郡志下調書出帳」には長さ三丁半のほん町に続いて一丁半の薬師やくし町が北に延び、家数五二(本町三九・薬師町一三)となっており、「塩小間物類少々商ひ候已」(同書出帳)の町であったが、安政二年(一八五五)以後は毎年春秋の二回牛馬市が開かれていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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