低温における 3He と 4He の混合液の特殊な性質を利用した冷凍技術.原理は1962年にFritz London(ロンドン)の弟であるHeinz Londonらによって提案された.現在では,この技術による超低温発生装置が市販されている.0.87 K 以下の低温では3He-4Heの混合液は常流動状態の 3He濃厚相と超流動状態の希薄相とに相分離し,濃厚相が希薄相の上に浮いたような形になる.0.1 K 以下では濃厚相はほぼ100% 3He になるが,希薄相ではT = 0 K でも6.4% の 3He が 4He のなかに溶けている.3He だけに注目すると,濃厚相の 3He が液体で,希薄相の 3He が気体であるかのように見える.それゆえ,もし希薄相の 3He の濃度をなんらかの方法で減らせば,液体の 3He が気体の 3He へと蒸発し,この系のエントロピーは増大する.その結果,断熱状態ならば温度低下が起こる.ところが都合がよいことに,3He と 4He の蒸気圧は,この付近の温度では 3He のほうがはるかに高い.そこで,希薄相を図のように 3He に圧をかけて取り出し,ポンプで循環させることができる.このような 3He の循環だけで温度低下が起こる.市販の装置でも,循環開始3 h ほどで35 mK が得られるという.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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