改訂新版 世界大百科事典 「帰去来兮辞」の意味・わかりやすい解説 帰去来兮辞 (ききょらいのじ)Guī qù lái xī cí 中国,南朝宋の詩人陶潜(とうせん)(淵明)の著した韻文。〈帰去来兮〉はその冒頭の句で,〈かえりなんいざ〉と読みならわされている。〈辞〉は《楚辞》の系統につながる韻文の一種。陶潜が42歳のころ,地方官の職を捨てて,故郷江西省潯陽(じんよう)の田園に隠遁しようとするにあたって,過去の歩みをふり返りつつ,新しい人生の抱負を述べている。清冽な気韻に満ちた内容は,古来多くの愛好者を得てきた。執筆者:興膳 宏 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by
百科事典マイペディア 「帰去来兮辞」の意味・わかりやすい解説 帰去来兮辞【ききょらいのじ】 陶潜の代表的韻文。405年41歳の時の作。彭沢県令の職を捨て,故郷の田園に帰る際の心情をうたったもの。官吏生活に堪えかねて隠遁することを高い調べで宣言する。《楚辞》の体にならう。《文選》にも採録されている。 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報 Sponserd by