日本歴史地名大系 「帷子川」の解説 帷子川かたびらがわ 神奈川県:横浜市帷子川源を旭(あさひ)区上川井(かみかわい)町に発して北西から東南に流れ、同区西南端の丘陵から流れる二フタ俣(また)川、保土(ほど)ヶ谷(や)区今井(いまい)町に源を発する今井川の二流を合せ、市のほぼ中央を東に貫流して横浜港に注ぐ。上流・中流は川幅が狭く、下流域は低湿地・埋立地で、ときに水害をもたらす。全長約一九キロ。流域の旭区白根(しらね)町、保土ヶ谷区釜台(かまだい)町・上星川(かみほしかわ)町、今井川流域の保土ヶ谷区初音(はつね)ヶ丘(おか)・藤塚(ふじづか)町・今井町などからは、最初の縄文土器である隆線文土器が発見されており、旭区白根・今宿(いまじゆく)地区および保土ヶ谷区今井町から保土ヶ谷町にかけての帷子川上流、二俣川に面する山地は中世榛谷(はんがや)御厨の中心地であり、古くから開かれていた。江戸時代には貞享四年(一六八七)頃小高市右衛門によって小高(おたか)新田(現旭区)が開発されて以後、上流域に三経(みつきよう)新田(現瀬谷区)、今宿新田・鶴(つる)ヶ峯(みね)新田・坂倉(さかくら)新田・本宿(ほんじゆく)新田(現旭区)などの畑作新田が開かれた。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by