常平所跡(読み)じようへいしよあと

日本歴史地名大系 「常平所跡」の解説

常平所跡
じようへいしよあと

古代において穀価の平均を図るため設置された役所。奈良時代には常平倉じようへいそうといった。豊作で穀価の低い時は国費で購入して値を上げ、凶作の時は逆に売りに出して値を下げた。最初に設置されたのは、天平宝字三年(七五九)である。平安京に設置されたのは貞観九年(八六七)で、「三代実録」同年四月二二日条には「東西京始置常平所、出官米而糶之、米一升直新銭八文、京邑之人来買者妙雲、是時穀価騰躍、内外飢饉、米一斛直新銭一千四百文、由是官糶以救俗幣焉」と記す。この時は常平倉ではなく常平所と名を変えて東西二京におかれており、飢饉のための米価騰貴を抑えるための官米の売却であることなどが知れる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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