常設国際平和局(読み)じょうせつこくさいへいわきょく(英語表記)Permanent International Peace Bureau

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「常設国際平和局」の意味・わかりやすい解説

常設国際平和局
じょうせつこくさいへいわきょく
Permanent International Peace Bureau

1891年にスイスベルンに設立された国際的な平和運動の中核機関。 1891年イタリアのローマで開かれた第3回国際平和会議の参加者,フレドリク・バイアーホジソン・プラット,シャルル・ルモニエらにより設立された。設立目的は,世界中の平和主義者をつなぐ接点となること,平和運動に関する情報提供,国際平和会議の決議案を作成し実行に移すことだった。当初はこれらの目標を達成し,平和運動の代弁者であった。またノーベル平和賞創設後の 10年間には7度にわたって候補となり,1910年に受賞。しかしその後は影響力が大幅に低下した。すべての戦争当事国および戦争のおそれのある国に対し,定期的に平和嘆願書を出したがあまり成果は上がらなかった。第1次世界大戦後,国際連盟などさまざまな国際政府組織や平和団体が設立されたことで,重要性は低下し,第2次世界大戦中に活動を中断。 1959年スイスの裁判所は組織を正式に解体し,すべての資産を新設された平和機関国際連絡委員会 ILCOPに与えた。 ILCOPは組織の再生をはかり,ジュネーブ事務局を国際平和局と命名した。新たな国際平和局は,ノーベル委員会から承認されノーベル平和賞受賞候補者の推薦権を与えられたものの,世界の平和主義者の代弁者としての地位はもはやない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android