幕府書物方日記(読み)ばくふしょもつかたにっき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「幕府書物方日記」の意味・わかりやすい解説

幕府書物方日記
ばくふしょもつかたにっき

江戸幕府書物奉行の勤務日誌。 255冊。宝永3 (1706) 年より安政4 (1857) 年まで,中間に欠ける年代はあるが,152年間の記録である。国立公文書館所蔵。一貫する原題はなく,「留書」「留帳」などと記されていることもあるが,江戸時代末期になってから表紙を付して「日記」としたのであろう。この日記は,書物奉行の勤務申送り帳の性格をもつとともに,紅葉山文庫の図書受入簿や出納簿の役割を果しており,江戸幕府の学事関係を知るうえで重要な史料東京大学史料編纂所より『大日本近世史料』として 1993年現在 18冊まで刊行

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世界大百科事典(旧版)内の幕府書物方日記の言及

【江戸幕府日記】より

…そのなかでもっとも有名なのが内閣文庫に所蔵されている《柳営日次記》771冊である。また特殊なものであるが《幕府書物方日記》225冊(内閣文庫蔵,《大日本近世史料》所収)も有名である。幕府日記は作成に精粗があるうえ,1657年(明暦3)の大火による焼失をはじめ,散逸したものも多いので,広く残編断帙を探って編纂した《徳川実紀》にその代役を求めるのが便利である。…

【書物奉行】より

…時代により異同があるが,人員4名,若年寄支配,焼火間詰,200俵高,役扶持七人扶持で,同心は4名から21名前後である。その記録(1706年以後)が内閣文庫に伝存され,《幕府書物方日記》(《大日本近世史料》所収)として刊行されている。江戸城の紅葉山文庫は初め林家ほかが適宜扱っていたが,奉行設置により逐次諸業務を管掌し,1712年(正徳2)には会所および3書庫が整備された。…

※「幕府書物方日記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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