インターネットをはじめとする大きなネットワークは、いくつかの個別のネットワークに分割して管理することが多い。その分割されたネットワークをサブネットワーク、略してサブネットとよぶ。インターネットや企業内LANなどのIPネットワークも、複数のサブネットで管理されている。サブネットマスクとは、ネットワーク上の特定のIPアドレスが、どのサブネットに所属しているのかを示すための数値である。
サブネットマスクは、かならずIPアドレスと組み合わせて使う。IPアドレスとは、インターネットなどに接続されたパソコンや通信機器に割り当てられた番号で、所属するサブネットを表すネットワーク部分と、そのサブネット内でのパソコンや通信機器を特定するためのホスト部分(ホストアドレス)で構成されている。サブネットマスクは、IPアドレスのなかでどこまでがネットワークに関する記述で、どこからがホストに関するものなのかを明確化する役割を果たしている。IPアドレスがネットワーク上での住所のようなものだとすると、サブネットマスクは、その住所表記のどこまでが自分が所属しているグループ(サブネット)であるかわかるように、区切り位置を明示しているのである。
サブネットマスクを設定することで、一つのネットワークアドレスを、複数のサブネットに分割することができる。同じサブネット内なら互いに直接通信できるが、サブネットが異なる場合にはルーターを介して情報交換を行うことになる。つまり、異なるサブネットから隠す(マスクする)ことから、サブネットマスクとよばれる。
IPv4のサブネットマスクは、8ビットごとに区切られた32ビットの二進数の数値であるが、一般的には「255.255.255.0」のように十進数で記述する。たとえば、「192.168.4.15」というIPアドレスに対して「255.255.255.0」というサブネットマスクを指定すると、「192.168.4」までがサブネットを表し、残る「15」がホストのアドレスであるということになる。
IPアドレスの「192.168.4.15」を二進数で記述すると「11000000.10101000.00000100.00001111」になる。このIPアドレスに対してサブネットマスクの「255.255.255.0」を指定した場合、二進数では「11111111.11111111.11111111.00000000」になる。「1」の列挙部分がネットワークで、「0」の列挙部分がホストであることを示している。そのため、サブネットマスクでは、「1」が並ぶ部分と「0」が並ぶ部分の二つのブロックだけで構成され、「00100010」のような並びはない。
また、サブネットから外部のネットワークにアクセスするときの、代表となる出入口をデフォルトゲートウェイといい、一般的にはルーターを指定する。
[編集部]
出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本」パソコンで困ったときに開く本について 情報
出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報
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