朝日日本歴史人物事典 「平時実」の解説
平時実
生年:仁平1(1151)
鎌倉初期の公卿。平時忠の長男。仁安1(1166)年,叙爵と同日に越後守に就任。嘉応1(1169)年,父に連座して解官されるが,翌年讃岐守に復帰。正四位下左中将に至るが,寿永2(1183)年平氏都落ちに同行して再度解官。文治1(1185)年,壇の浦の戦後に父と共に捕らえられて,周防に配流と決定したが,京に留まる。源義経の挙兵に同行したが,捕らえられて鎌倉に連行されたうえ,上総に配流された。文治5年に許され,建暦1(1211)年従三位に叙し公卿に列したが,2年後に頓死。動乱のなかで翻弄された生涯であったが,時実自身も「心猛キ人」であったという。
(元木泰雄)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報