平生御厨(読み)ひらおのみくりや

日本歴史地名大系 「平生御厨」の解説

平生御厨
ひらおのみくりや

坂内さかない川河口に成立した伊勢神宮領。「玉蘂」建暦元年(一二一一)六月二八日条に「宮勘申、斎宮寮保曾級貢御人等与県徳吉相論、伊勢二所太神宮御領同国平生御厨北境事、仰、保曾級貢御人所進、延喜三年糺定文、依有偽書之疑、徳吉申状似有其謂、然而重令貢御人等、且弁申委細、備進正文」とみえて、この頃すでに御厨が成立しており、北境をめぐって斎宮寮の保曾級(細汲)供御人と相論していた。県徳吉は平生御厨の沙汰人であろう。

神鳳鈔」には「内宮平生御厨」とみえ、二宮から外宮が除かれて内宮のみの所領となっている。康永三年(一三四四)八月付の法楽寺文書紛失記(京都市田中忠三郎氏蔵文書)には「平生御厨一名平尾御園」とあり、南北朝期に平生を平尾とあてた場合もあり、御園ともよばれた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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