平石遺跡(読み)ひらいしいせき

日本歴史地名大系 「平石遺跡」の解説

平石遺跡
ひらいしいせき

[現在地名]足利市山下町 平石

智光ちこう寺跡の北東に位置し、先土器時代から縄文前期にかけての集落跡と考えられる遺跡。大岩おおいわ山から南西に下る山系末端に連なる舌状台地の頂部から南麓部にわたり、遺物散布は一千六〇〇平方メートルに及ぶ。昭和四七年(一九七二)の一部の発掘調査によって、上下二層の文化層から遺構・遺物が出土。遺構は丘腹に平面不整矩形状(南北長さ二・一二メートル、東西幅一・三五メートル)の竪穴土壙(深さ約七〇センチ)と、丘頂に焼土跡(南北長さ約三メートル・東西幅約一メートル)があり、遺物は縄文式土器と石器であった。縄文式土器は撚糸文系(二二パーセント)、無文・沈線文系(二六パーセント)、繊維土器系(五二パーセント)で、草創期から前期に及び、石器は石鏃・石匙・尖頭石器・礫器・磨石・打製石斧が多く、磨製石斧・石槍・石皿・凹石・石錘など多量にのぼる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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