平等選挙(読み)びょうどうせんきょ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「平等選挙」の意味・わかりやすい解説

平等選挙
びょうどうせんきょ

選挙人投票の価値をすべて平等に取扱う制度。普通,直接,秘密選挙とともに現代選挙制の基本原則となっている。かつては,特定の選挙人に複数の投票を認める「複数投票制」や,納税額の差により選挙人をグループ別にした「等級選挙制」が存在した。平等選挙は,各人に能力や政治意識の差があるにもかかわらず各人の意志を1票に還元することになるので,悪平等主義に陥り,実質的平等に反するという意見が現在でも存在する。日本国憲法は,公務員の選挙について成年者による普通選挙を保障するとともに (15条3項) ,人種信条性別・社会的身分・門地・教育・財産または収入による差別を禁止している (44条) 。平等選挙に関連して今日問題とされているのは,人口変動にもかかわらず定数が是正されないことからくる投票価値の差異をどう評価するかの問題である。 (→不平等選挙 )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の平等選挙の言及

【選挙】より

…(1)普通選挙 選挙権を身分,財産,納税,信仰,教育,人種,性別などによって制限せず,原則として一定の年齢に達したすべての国民に選挙権を与える制度である。(2)平等選挙 有権者各人の投票の効果が平等な選挙制度であり,一人一票同一価値の原則に基づく。これに対するものとして,有権者を財産などで等級に分類し,等級ごとに代表者を選出する等級選挙制(階級選挙制ともいう)や,1人が2票以上をもつ複数投票制がある。…

※「平等選挙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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