平群坐紀氏神社(読み)へぐりにいますきうじのじんじや

日本歴史地名大系 「平群坐紀氏神社」の解説

平群坐紀氏神社
へぐりにいますきうじのじんじや

[現在地名]平群町大字上庄

上庄かみしよ集落南端に鎮座し、都久宿禰・天児屋根あめのこやね命・天照あまてらす大神・八幡大菩薩を祀る。旧村社。「延喜式」神名帳平群郡の「平群坐紀氏神社名神大、月次新嘗」に治定。紀氏神は、天長元年(八二四)八月二一日、紀百継・末成らの奏聞により幣帛の例にあずかり(類聚国史)、同六年四月一六日に、山城国愛宕おたぎ郡の丘一処が百継に下賜されて神地となった(日本紀略)。紀氏は紀伊国を本拠とし、大伴氏とも関係の深かった古代豪族で、紀角宿禰は平群木菟宿禰の弟である(古事記)。紀氏の平群地方における勢力については明らかでないが、貞観一二年(八七〇)の某郷長解写(正親町伯爵旧蔵文書)に、「平群東条一平群里」一三坪・一四坪の地を、石川真主が紀春世に売却したとあり、保証刀禰のなかに紀氏世・本男の名がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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