六訂版 家庭医学大全科 「平衡感覚を感知する器官」の解説
平衡感覚を感知する器官
(耳の病気)
耳には音を聞くはたらきのほかに、体のバランスをとる「平衡感覚」の役割があります。耳の平衡感覚を感知する器官としては、
耳石器は2つあって、
耳石器の内部は薄い膜でおおわれていて、その奥には有毛細胞という細かい毛の生えた感覚細胞があります。耳石がリンパ液のなかを動くと、この有毛細胞の毛が刺激されて、位置を感知することができます。卵形嚢は水平方向の動きを、球形嚢は垂直方向の動きを感知します。
半規管は、前半規管・後半規管・外側半規管の3つがあり、まとめて
半規管は3つの中空のリングから構成されていて、内部は内リンパ液で満たされています。前庭の近くに
3つの半規管はそれぞれ別の面にあるので、あらゆる回転方向を認識することができます。これらの半規管はそれぞれ直角に交わっていてx、y、z軸のように3次元空間の回転運動の位置感覚を感知します。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報