平隆寺(読み)へいりゆうじ

日本歴史地名大系 「平隆寺」の解説

平隆寺
へいりゆうじ

[現在地名]三郷町勢野東二丁目

無量山阿弥陀院と号し、融通念仏宗。本尊石造阿弥陀如来坐像。聖徳太子建立寺院の一つと伝えられる。承平七年(九三七)の信貴山寺資財宝物帳写(信貴山文書)が初見で、平群へぐり郡中郷九条一四里二五坪・二六坪の「字三宅畠」の北に当寺地のあったことが知られる。鎌倉中期の「聖徳太子伝私記」に、聖徳太子によって創建されたと伝える寺を列挙したなかに、「施鹿薗(寺)法隆寺北山在之」とあり、その紙背に「或云平隆寺此寺勢野郷、太子安息、平群臣等之香花供養時所也」と記している。また「太子伝玉林抄」には「一伝云、到于勢益之原、一人信女可達小寺、口伝云、一人信女者推古天皇也云々此時ヨリ 以後経十年崩御也、彼寺之縁起タリ、仲範云、治縁天皇之事也、平隆寺ナリ」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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