年の渡り(読み)トシノワタリ

デジタル大辞泉 「年の渡り」の意味・読み・例文・類語

とし‐の‐わたり【年の渡り】

1年の間。
「玉かづら絶えぬものからさらくは―にただ一夜のみ」〈・二〇七八〉
年に一度彦星天の川を渡って織女と会うこと。
「天の川―の秋かけてさやかになりぬ夏の夜の闇」〈拾遺愚草・上〉

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精選版 日本国語大辞典 「年の渡り」の意味・読み・例文・類語

とし【年】 の 渡(わた)

  1. 一年が経過すること。一年の間。
    1. [初出の実例]「玉葛絶えぬものからさ寝らくは年之度(としのわたり)にただ一夜のみ」(出典万葉集(8C後)一〇・二〇七八)
  2. (牽牛・織女が)一年に一度、天の川を渡ること。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「としのわたりにはたちまさりぬべかめるを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)松風)

年の渡りの補助注記

の「万葉」例は、の意にも掛けて用いる。

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