( 1 )[ 二 ][ 一 ]の②③は、枕詞でないとする説もある。
( 2 )[ 二 ][ 一 ]④のかかり方は「かづら」が呪物としても用いられるところから、栄えるの意でかかるとする説もある。
能の曲名。観世流は《玉鬘》と書く。四番目物。金春禅竹(こんぱるぜんちく)作。シテは玉葛の霊。旅の僧が初瀬に赴くと,川舟を操って来る女性(前ジテ)がいて,僧とともに長谷(はせ)寺に参り,有名な二本杉(ふたもとのすぎ)に案内する。女は僧に《源氏物語》の玉葛の話をして聞かせる。幼い玉葛は,母の夕顔の死後九州に下って乳母に育てられたが,成人後九州を脱出し,この二本杉で母の侍女の右近に出会い,右近が当時仕えていた光源氏に引き取られたと話して弔いを頼むが(〈クセ〉),やがて自分こそその玉葛の霊だとほのめかして消え失せる。僧が弔いをすると,玉葛の霊(後ジテ)が髪を乱した姿で現れ,男たちとの間の恋の迷いのせいか,死後の今も妄執の苦しみから抜け出せない身なのだと打ち明ける(〈カケリ・中ノリ地〉)。
《源氏物語》を典拠とするが,能としての主題が明確でなく,玉葛の妄執の原因がはっきりとは示されていない。金春禅竹作と断定できる能は少ないが,禅竹はことさらにあいまいな形で感覚的に訴えかけるという傾向があるように思われる。
執筆者:横道 万里雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
能の曲目。四番目物。五流現行曲。観世(かんぜ)流は「玉鬘」と表記。金春禅竹(こんぱるぜんちく)作。典拠は『源氏物語』の「玉葛」の巻。長谷(はせ)観音に参詣(さんけい)した僧(ワキ)を、舟を漕(こ)ぐ女(前シテ)が二本(ふたもと)杉に案内し、数奇な運命にもてあそばれた玉葛が、亡き母夕顔の侍女とここで巡り会ったことを語り、その亡霊であることをほのめかして消える。僧の弔いに、玉葛の霊(後シテ)が現れ、妄執に悩むさまを訴え、昔を懺悔(ざんげ)するが、やがて成仏して消える。狂女物として扱われるが、主題が明確でない。若い女性の物思わしさとか、異性への恐怖を、情緒的に造形した能である。
[増田正造]
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