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年始礼 ねんしれい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

年始礼
ねんしれい

年頭の挨拶儀礼。本来は一族一家の間における儀礼で,本家や親元に集って祖霊を祀り,あわせて一族の長や親を祝福するものであった。カドビラキあるいはカドアケなどと称し,元日の早朝,分家の者が本家に出かけて,その門を開けるという習俗が残っている地方があるが,これは一族の者が本家に集って年籠りをし,新年の到来とともに表戸を開いて歳神を迎えた行事の変形したものであると思われる。また,若者や子供たちが家々を回礼し祝儀を受けるクイズミ,テカケなどと呼ばれる習俗もある。これは回礼を受ける側が,盆や三方の上に米や餅を敷き,その上にのしあわび,かちぐり,串柿,昆布などを載せたものを「お手をかけてくだされ」と言って差出し,回礼者が,手や扇子でそれに触れて「いただきました」と挨拶して帰るもので,共食の儀式の名残りであると考えられる。そのほか年始礼には,村内を回礼する村年始または字礼 (あざれい) や,僧侶が家々を回礼する寺年始など,多くの形のものがある。

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