日本大百科全書(ニッポニカ) 「年祝い」の意味・わかりやすい解説
年祝い
としいわい
特定の年齢を祝う習俗。とくに高齢者の賀(が)の祝いをさすことが多い。人が成長して天寿を全うする間には、さまざまな災厄が予想され、それを乗り越える呪術(じゅじゅつ)行為が祝いの形式をとる。明治以来定着した七五三(しちごさん)、袴着(はかまぎ)・元服(げんぷく)などの成人式、女の19歳や33歳、男の25歳や42歳などの厄年(やくどし)がある。それ以後は60歳もしくは61歳の還暦、70歳の古稀(こき)、77歳の喜寿、88歳の米寿などがある。近年は平均寿命の延長に伴い、90歳を卒寿、99歳を白寿、100歳の百祝い、108歳の茶寿など、字画にあわせて種々の祝いを考案することが流行し、長寿を祝うことに重点が置かれるようになった。
[井之口章次]