文字の字形を構成する基本的かつ最小の要素。筆写の際には一筆で書かれる。点画(てんかく)ともいう。ここではしばしば問題となる漢字の場合について述べる。漢字の字画のうち主要なもの(基本点画)にはそれぞれ名称があり、文部省編『筆順指導の手びき』(1958)によって示せば次のようになる(かならずしも原文どおりではない)。
点(てん) 横画(よこかく、おうかく、よこ、よこぼう) 縦画(たてかく、じゅうかく、たて、たてぼう) 左払い(「人」の第1画に相当する画で、方向・長さにはいろいろある) 右払い(「人」の第2画に相当する画で、方向・長さにはいろいろある)また、次のような名称も用いられる。
┐折れ 亅はね |一とめ
乚曲がり 丿払い
字画を組み合わせて字形を構成する順序を筆順とよび、社会的な習慣としてある程度定まっている。また、組み合わせた字画の個数が画数(かくすう)である。筆順については前述の『筆順指導の手びき』に示されたように、(1)上から下へ(三・工)、(2)左から右へ(川・竹・休)、という大原則があり、このほか横画が先(十・土・士)、中が先(小・当・水)、外側が先(国・同)、などの原則があるが、二つ以上の筆順が行われているもの(必・馬など)や原則のたてられないもの(廴は他の部分より先に、は他の部分よりあとに書く)もある。
[月本雅幸]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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