広学会(読み)こうがくかい(その他表記)Guǎng xué huì

改訂新版 世界大百科事典 「広学会」の意味・わかりやすい解説

広学会 (こうがくかい)
Guǎng xué huì

中国の清末,中国在住外国人のプロテスタント宣教師・商人外交官などで組織された西洋知識普及団体。原名The Society for the Diffusion of Christian and General Knowledge among the Chinese。1887年(光緒13),英国長老会宣教師ウィリアムソンA.WilliamsonがハートR.Hart,アレンY.Allenらと協力し,同文書会の名で上海に設立し,1892年広学会と改称。西洋書籍の漢訳と出版を通じて中国人を啓蒙した。月刊機関誌万国公報》をはじめとする漢訳西書は,清末の中国知識人に大きな影響を与え,変法運動の下地をつくった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「広学会」の意味・わかりやすい解説

広学会
こうがくかい
Guang-xue-hui; Kuang-hsüeh-hui

中国在住イギリス人を中心に,光緒 13 (1887) 年,上海に設立されたキリスト教啓蒙団体"The Society for the Diffusion of Christian and General Knowledge among the Chinese"のこと。会長総税務司の R.ハート。 T.リチャード (李提摩太) ,Y.J.アレン (林楽知) らがおもな会員。機関誌『万国公報』のほか,種々の書籍を刊行して西欧事情の紹介,改良思想の普及に努め,康有為孫文にも大きな影響を与えた。しかし,リチャードの中国政府改革案でも,閣僚半数外人から任命することを提案するなど,その事業は基本的にはイギリス本国の利益のためのものであった。

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世界大百科事典(旧版)内の広学会の言及

【万国公報】より

…1868年(同治7)9月の創刊時は《教会新聞The Church News》という名の週刊誌であったが,300号を契機に,74年9月以降83年まで月刊誌となり《万国公報The Chinese Globe Magazine》の名称で刊行。6年間休刊後,89年(光緒15)2月からは《万国公報Review of the Times》と英文標題を改め,英米独のプロテスタント組織広学会の援助で1908年まで228冊が出版された。〈風気を開通し文明を輸入する〉というスローガンをかかげ中国のインテリに対する西洋事情の啓蒙宣伝の役割を果たした。…

※「広学会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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