外人(読み)がいじん

精選版 日本国語大辞典 「外人」の意味・読み・例文・類語

がい‐じん グヮイ‥【外人】

〘名〙
家族親戚仲間同宿などの範囲の外にいる人。無関係の人。疎遠な人。他人。また、その土地の人ではない人。
扶桑集(995‐999頃)九・暮春賀藤才子寮試及第花下命酌〈大江朝綱〉「外人傾耳猶添愛、况是堂中父母心」
平家(13C前)一「其恩をわすれて、外人もなき所に兵具をととのへ、軍兵をかたらひおき」 〔孟子‐滕文公〕
外国人
文明論概略(1875)〈福沢諭吉〉一「学者流の人にても少しく見識ある者は外人の挙動を見て決して心酔するに非ず」 〔陶潜‐桃花源記〕

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デジタル大辞泉 「外人」の意味・読み・例文・類語

がい‐じん〔グワイ‐〕【外人】

外国人。特に、欧米人をいう。「外人墓地」
仲間以外の人。他人。
「―もなき所に兵具ひゃうぐをととのへ」〈平家・一〉
[補説]1は、よそ者というニュアンスを持つようになったため、使う相手状況注意が必要な言葉
[類語]外国人異人異邦人

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普及版 字通 「外人」の読み・字形・画数・意味

【外人】がい(ぐわい)じん

他人。仲間以外の人。〔孟子、文公下〕子曰く、外人皆夫子(ふうし)辯を好むとす。敢て問ふ、何ぞやと。孟子曰く、予(われ)豈に辯を好まんや。予已(や)むことを得ざればなり。

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世界大百科事典(旧版)内の外人の言及

【外国人】より

…自国以外の国籍を有する者および無国籍者をふつう指す。外人,異国人,異邦人,異人などともいう。もともと畿内から見た外の人,地方の人を表す〈外国人(とつくにびと)〉が今日の用法に転用された。…

【日本】より

…しかし江戸時代300年の鎖国に慣れた多くの日本人の意識にとって,拡大されたムラの境界は,日本の国境を超えない。ムラ人=日本人と〈外人〉=非日本人との区別は,今日なお大きな意味をもちつづけ,〈外人〉は,日本人以上か以下である。たとえば中国人,朝鮮人は,1868年(明治1)を境として,日本人以上から以下に変わった。…

※「外人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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