広瀬井手(読み)ひろせいで

日本歴史地名大系 「広瀬井手」の解説

広瀬井手
ひろせいで

宇佐台地への通水を目的に開削された井手。計画されたのは宝暦元年(一七五一)で、最終的に完成したのは明治三年(一八七〇)のことであった。宝暦以前に広瀬村(現院内町)駅館やつかん川支流津房つぶさ川から取水する沖村おきむら用水井堰があったが、下流宇佐村など五村から沖村用水に参加したい旨の申出があり、宝暦元年宇佐社が社費を投じて遂行する事になった。広瀬村に取入口を設け、拝田はいた村・矢部やべ村を通って宇佐村に通水しようとしたが、和尚かしよう山の百重ひやくじゆ断崖を掘抜くことができず六年間の工事ののち失敗した。第二回は文化一一年(一八一四)から八年間をかけて宇佐村の富田久兵衛と日田の技術者矢野与平衛が百重の断崖に縦一尺五寸・横一尺二寸、長さ五〇〇間の間歩を貫通させたが、難工事と資金難で挫折する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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