延時名(読み)のぶときみよう

日本歴史地名大系 「延時名」の解説

延時名
のぶときみよう

隈之城くまのじよう地区一帯の地に比定される。寛元元年(一二四三)八月一〇日の五大院主迎阿譲状(新田神社文書)には次男師久への譲与分のうち本免二町六反に延時二反が含まれている。迎阿は国分寺留守職・同所天満宮別当職国分(惟宗)友久の妻で、次男師久は吉永と号し薩摩郡市比野いちひの(現樋脇町)領主であった(「惟宗姓国分氏正統系譜」国分文書)。当名は薩摩平氏一族の間で分割相続されたらしい。文永元年(一二六四)一〇月一〇日の沙弥見仏譲状案(延時文書)に、子息大蔵種忠に譲与された四ヵ所のうち延時の名田かわらたのむら」がある。「かわらた」は瓦田とも記され、現隈之城町の隈之城小学校付近の小字川良田かわらだ辺りであろう。また正安四年(一三〇二)八月四日の在国司道雄代道弘和与状(同文書)には、薩摩在国司入道道雄と延時三郎入道成仏の相論の地として延時名内真弓まゆみ町・御霊田みたまだ上山本かみやまもと・中山本の四町がみえる。和与成立により在国司方は延時本名の公事所役の四〇分の一を負担することとなった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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