建屋紙工保(読み)たきのやかみくほ

日本歴史地名大系 「建屋紙工保」の解説

建屋紙工保
たきのやかみくほ

建屋川流域の船谷ふねだに付近にあったと推定される国衙領で、建屋新庄一角であったかもしれない。石和田いしわだ保ともいう。弘安八年(一二八五)の但馬国太田文には「建屋紙工 三丁六反大」とみえ、「地頭石和田又太郎光時 御家人」と注記があり、保田内訳は神田一反、地頭給五反大、定田三町である。地頭は建屋新庄と同一人で、姓からみれば当保が本貫地であろう。太田文の注進に先立つ文永七年(一二七〇)二月二一日、後嵯峨上皇の院宣(案、進美寺文書)によって、国衙領の「蓮台寺・吉祥寺并石和田保等」が本領主両度寄進状に任せて進美しんめい(現日高町)領とし、国衙の妨げが停止された。次いで建治三年(一二七七)六月二二日の亀山上皇院宣(案、同文書)、弘安九年七月一六日の官宣旨(案、同文書)によっても、右三ヵ所に対する国衙の妨げが停止された(ただし太田文には、右の三ヵ所とも進美寺領とする注記はない)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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