廻地蔵(読み)めぐりじぞう

日本歴史地名大系 「廻地蔵」の解説

廻地蔵
めぐりじぞう

[現在地名]山科区四ノ宮泉水町

四ノ宮地蔵ともよばれる。「山城志」に「地蔵堂在四宮村、西光法師所建、六地蔵堂其一也」と記される。「山州名跡志」は、地蔵堂は十禅じゆうぜん寺の東にあり、南向きの六角堂で本尊小野篁作の八尺ばかりの立像地蔵菩薩であったといい、「都名所図会」には「廻地蔵ハ諸羽の東にあり、小野篁の作にして、七道の辻の其一つなり、平清盛の命ありて西光法師の建立なり」と記される。「源平盛衰記」に僧西光が「山科四宮河原」ほか七ヵ所に建立したとあるところから伝えられたのであろうが、東海道に面する交通の要衝に営まれたもので、平安時代末期の創立は確かと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の廻地蔵の言及

【地蔵盆】より

… 毎月の24日が地蔵の縁日であるということは,平安時代中期以来みられる。室町時代半ばころ,旧暦7月24日に京都への入口にある六地蔵めぐりが廻地蔵といわれて盛んになってきた。江戸時代末期の随筆《雲錦随筆》に〈御菩薩が池は幡枝(はたえだ)村の南にあり,平相国清盛の代,西光法師が建営なりとぞ,山城六地蔵の其一也,7月23,24日地蔵巡りの老若群参して賑はし,六斎念仏ことごとく来りて,手向を勤む〉と見えている。…

※「廻地蔵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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