弊履を棄つるがごとし(読み)へいりをすつるがごとし

精選版 日本国語大辞典 「弊履を棄つるがごとし」の意味・読み・例文・類語

へいり【弊履】 を 棄(す)つるがごとし

やぶれたはきものをすてるように、おしげもなくすてるさま。

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故事成語を知る辞典 「弊履を棄つるがごとし」の解説

弊履を棄つるがごとし

なんの惜しげもなく捨て去ることのたとえ。

[使用例] 彼女は恋をした。だが、その恋を弊履の如く打棄て、百万長者畑柳に嫁づいた[江戸川乱歩吸血鬼|1931]

[由来] 「孟子尽心・上」に出て来ることばから。孟子の弟子が、「伝説上の聖王しゅんは、もし父親が人殺しをしたらどう対応したでしょうか」と質問したところ、孟子の答えは、「舜は天下を捨て去ることを『へいを棄つるごとく(ちょうど、破れた履物を捨てるよう)』にしか思っていないから、王の位を退いてどこかへ隠れ住むだろうよ」というものでした。原文では「敝蹝」となっていますが、現在では「弊履」の形で定着しています。

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