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吸血鬼 きゅうけつきvampire

翻訳|vampire

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

吸血鬼
きゅうけつき
vampire

伝説上の幽霊。夜間に死体から生き返り,墓地を出て眠っている人の生き血を吸い,夜明けとともに墓に帰るとされる。バンパイアともいう。この伝説はアジア,ヨーロッパ各地にみられるが,スラブ地域やハンガリーの伝説がもとになっている。吸血鬼の顔は青白く,目を見開いて切歯を突き出し,人ののどもとにかみついて血を吸う。血を吸われた被害者は死後,吸血鬼になるという。影がなく鏡にも映らないが,十字架ニンニクを恐れ,昼間のうちに死体の心臓部に杭を打つことでとどめを刺すことができると伝えられる。民間伝承された多くの怪異伝説のなかでも特に名高く,アイルランドの作家ブラム・ストーカーゴシック小説『ドラキュラ』Dracula(1897)の映画化によって,より広く知られるようになった。

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デジタル大辞泉の解説

きゅうけつ‐き〔キフケツ‐〕【吸血鬼】

人の生き血を吸うという魔物。バンパイア。
無慈悲に人を苦しめて利益をしぼり取る人間。

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百科事典マイペディアの解説

吸血鬼【きゅうけつき】

古代ギリシアやスラブの伝説を起源として広く西洋で信じられている魔物。バンパイアvampire。生ける死者ノスフェラトゥ)ないし死者の霊で,深夜に墓場から抜け出し,人の生血を吸って死に至らしめるという。

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デジタル大辞泉プラスの解説

吸血鬼

1932年公開のフランス・ドイツ合作映画。原題《Vampyr》。カール・テオドール・ドライヤー監督によるホラー映画古典。出演:ジュリアン・ウェスト、モーリス・シュルツ、シビル・シュミッツ、レナ・マンデルほか。

吸血鬼

赤川次郎のミステリー短編集。1997年刊行。

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世界大百科事典 第2版の解説

きゅうけつき【吸血鬼 vampire】

人や動物の生血を吸うとされる魔物(死霊,死者の姿をとることが多い)の総称。これらが,バンパイア,バンピールなどの名に統一・固定されるのは,18世紀以降のヨーロッパにおいてであるが,それ以前にも,またヨーロッパ以外の国々でも,類似の存在は広く知られていた。幼児をさらってその血をすするギリシア神話の女怪ラミア,若者を誘惑して生血を吸うエンプーサ,淫奔残忍なテッサリアの巫女,ポルトガルのブルーカ,アラビアのグール,ドイツのドルドなどがこれである。

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大辞林 第三版の解説

きゅうけつき【吸血鬼】

人の生き血を吸うという妖怪ようかい。バンパイア。
情け容赦なく他人から吸い上げる人。金貸し・搾取者などをたとえていう。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

吸血鬼
きゅうけつき

東ヨーロッパを中心に昔から恐れられている魔物。夜、墓の中から、凶悪犯人、自殺者、破門者、早く埋葬されすぎた者などの死体がよみがえって現れ、長く伸びた犬歯によって熟睡している人の生き血を吸い、吸われた人はこの夜の訪問のとりことなり、死ねば吸血鬼に変じるというのが一般的な伝説である。英語ではバンパイアvampireといい、この語はまた中南米に生息する吸血コウモリを意味する。語源的にはトルコ語のuber(魔女)であり、ウクライナ語ではuper、ブルガリア語ではvapir、セルビア語ではvampirとなって西欧に伝わった。吸血鬼の姿には諸説あるが、手のひらに毛が生えていて、碧眼紅毛(へきがんこうもう)、兎唇(としん)などという。これを永久に絶やすには、ただ殺しただけではだめであって、四つ辻(つじ)に埋め、心臓に杭(くい)を打ち込まなければならない。吸血鬼除(よ)けとしては、鐘、明かり、ニンニクがある。
 吸血鬼が文学に登場するのは、ロマン派の文学がおこった18世紀末以降で、ゲーテの『コリントの花嫁』(1797)、ボードレールの『吸血鬼』(1855)、ル・ファニュの『カーミラ』(1872)などがあるが、もっとも有名なのはブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』(1897)であり、映画化もしばしばなされている。舞台の中心地トランシルバニアはこの伝説に絡んで東欧の観光地になっている。[船戸英夫]
『種村季弘著『吸血鬼幻想』(河出文庫)』

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世界大百科事典内の吸血鬼の言及

【レ・ファニュ】より

…本来スウェーデンボリに傾倒する神秘家だったが,妻を失ってからは暗い運命論にひかれ,《アンクル・サイラス》(1864)や《曇りガラスの中》(1872)など晩年の作品は自身の心の崩壊の告白録とも見られる。とくに後者に収められた女吸血鬼の物語《カーミラ》は,後に現れるB.ストーカーの《ドラキュラ》(1897)ほかの吸血鬼ロマンスの先駆となった。【荒俣 宏】。…

※「吸血鬼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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