引き側む(読み)ヒキソバム

デジタル大辞泉 「引き側む」の意味・読み・例文・類語

ひき‐そば・む【引き側む】

[動マ四]手元に引き寄せて、見られないように隠す。
御後見うしろみどもの、―・みつつ持て参る御文どもを」〈藤袴
[動マ下二]に同じ。
几帳を簾のつまより少し押し出でて、裾を―・めつつゐたり」〈夕霧

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「引き側む」の意味・読み・例文・類語

ひき‐そば・む【引側】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 マ行四段活用 〙 [ 二 ]に同じ。
    1. [初出の実例]「とりどりなる御後見どもの、ひきそばみつつ持てまゐる御文どもを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)藤袴)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙
    1. 物をからだや物かげにひき寄せて、見られないように隠す。
      1. [初出の実例]「ひきそばめて急ぎ書き給ふは、かしこへなめり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)松風)
    2. 身のかたわらに引き寄せる。引き寄せて構える。
      1. [初出の実例]「旗ざほ共ひきそばめひきそばめ馬の腹帯(はるび)をかため」(出典平家物語(13C前)二)

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