引切(読み)ひききり

精選版 日本国語大辞典 「引切」の意味・読み・例文・類語

ひき‐きり【引切】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ひきぎり」とも )
  2. ( 形動 ) 性急に決着をつけたがる性格。また、そのさま。せっかち。性急。
    1. [初出の実例]「いと急にものし給ふ本性なり。このおとども、はたおとなおとなしうのどめたる所さすがになく、いとひききりにはなやい給へる人々にて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕霧)
  3. 手もとに引くようにして切ること。
    1. [初出の実例]「ヱイと声掛け引斫(ヒキギリ)に首掻落して」(出典:近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉一一)
  4. とぎれること。たち切れること。
  5. 茶道で、茶釜のふたをのせて置く竹製の筒。竹の節を残して引切るところからこの名がある。竹の蓋置き。ひっきり。〔南方録(17C後)〕
  6. ひききりのこぎり(引切鋸)」の略。
    1. [初出の実例]「鋸には、大切、引切、かがり、両頭、ねづみかがりの数種あり」(出典:風俗画報‐一五四号(1897)人事門)

ひっ‐きれ【引切】

  1. 〘 名詞 〙 女をののしっていう語。ひっきり。
    1. [初出の実例]「仙人迯てこゆるかけはし〈高政〉 首切(ビッキレ)め木の葉を脱(ぬい)ておこさぬか〈定之〉」(出典:俳諧・ほのぼの立(1681))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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