日本歴史地名大系 「引地川」の解説 引地川ひきじがわ 神奈川県:高座郡引地川大和市上草柳(かみそうやぎ)字篠山(しのやま)の水源池と字東(あずま)ヶ里(さと)に発し、大和市・藤沢市を南北に貫流、相模湾に注ぐ。かつては大和市域から藤沢市北部で綾瀬(あやせ)川と称し、藤沢市大庭(おおば)から下流で引地川となる。流域は上草柳・下草柳・福田(ふくだ)(大和市)、長後(ちようご)・下土棚(しもつちだな)・円行(えんぎよう)・石川(いしかわ)・大庭・稲荷(いなり)・羽鳥(はとり)・辻堂(つじどう)・鵠沼(くげぬま)(藤沢市)で、全長二〇・七キロ。灌漑は石川村まで利用され、とくに長後村ではこの川から引水する山王渠・坊ノ内渠・崖下渠・鏡川渠・常永渠の五溝渠があり、長さ計約二六町、水田一八町余を灌漑した(皇国地誌)。石川村では引地川から引水する堰が一所あり、春中に総百姓によって堰を立てるしきたりであった(明治三年一〇月「石川村明細帳」佐川文書)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報